人が、現場を支えている。

「浜岡を支える 耐震強化」篇

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「浜岡を支える 耐震強化」篇

テレビCM紹介

まず、地震に強いこと。それが大前提でした。

この地域は、昔から大きな地震がある地域です。浜岡原子力発電所は、想定東海地震の震源域にあることから、建設当初から地震に対して余裕をもたせた設計としています。当時の知見を活かし、大きな地震の揺れに強い剛構造としているほか、原子炉建屋の周りに補助建屋を配置して一体化することで構造の安定を図る「複合型建屋方式」を世界に先駆けて採用するなど、当時から高い耐震性を追求してきました。

耐震強化の様子1
耐震強化の様子2
ピラミッドのような安定した構造にしています。

浜岡原子力発電所の建屋は、「基礎の面積を広く、厚く」「厚い壁を多く、規則正しく配置」「重心を下げる」など、ピラミッドのような安定した強い構造です。また、地面を約20m程度掘り下げ、固い岩盤に建屋を直接設置することで、表層地盤に比べ、2分の1から3分の1程度の揺れに軽減できるようにしています。さらに2005年には、自主的に耐震裕度向上工事を実施しています。安全性を高めるために建屋内の配管サポート改造工事や排気筒の改造工事を実施し、東海・東南海・南海地震の3連動地震に対して耐震性が確保されていることを確認しています。

浜岡原子力発電所の建屋の構造図
2,000カ所以上の追加補強を行いさらに耐震性を高めています。

東日本大震災により、現在は、さらに大きな南海トラフ巨大地震なども踏まえ、より大きな地震の揺れを想定した対策工事をおこなっています。私の担当は、建屋内の配管や電路類系などの設備を支えるサポート改造工事。前回の耐震裕度向上工事から2,000カ所以上追加し、さらに耐震性を高めています。私は、月100カ所ペースの計画で補強工事を進めていましたが、厳しい現場も数多く経験しました。普段は人が立ち入らないような場所で、重機が搬入できない狭い箇所のため、数百キロもある鉄骨も、人力で運び、現場で組立、溶接。1カ所で1カ月かかった配管サポート工事もありました。予定した工事が完了に近付くにつれ達成感もひとしおですが、何より現場のチームが一丸になって取り組んでいるからこその成果だと思っています。

地道な積み重ねこそが安全への道だと思っています。

現在の追加補強工事を終えたとしても、耐震性の強化対策が全て完了したとは思いません。重要なのは、いつ起こるかわからない大規模な地震に備え、耐震性を確保し続けること。そういう想いから、完了した補強工事の検査も、必ず自分の目で確認するよう心がけ、必要に応じてメンテナンスもおこなっています。補強のひとつひとつが、建屋全体の強さにつながっている、建屋全体の安全を支えている。そう信じて今日も、現場での検査に臨んでいます。

「強化扉」と「水密扉」の写真

耐震強化に関しては関連ページをご覧ください。

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